信田さよ子
金剛出版
2015
book, 2015/04
昔はアルコール中毒やニコチン中毒と「中毒」という表現をしていましたが、現在ではその状態のことを「アディクション(嗜癖)」と呼ぶのだそうです。「中毒」と「アディクション」の間の時期は「依存症」とも言っていました。かつて「中毒」「依存症」と呼んでいた状態・症状の疾病概念が脆弱なため客観的定義付けの難しさ(社会的な言葉の印象からくる差別も問題ですが)から呼称が「アディクション」へと現在移行しているようです。
その現在「アディクション」と呼ばれる症状から発するさまざまな問題に20年以上取り組んできた方が書かれた本です。
一般にセラピーや心理療法は過去に遡って原因を突き詰めようとするものだと思っていたのですが、「いま ここで 新しく」を最重要方針とされている点などはこの本の中でも白眉でした。