ショーン・タン 著
小林美幸 訳(作者あとがき)
河出書房新社
2011
book, 2011/04
ショーン・タンというオーストラリアの絵本作家が描いた、文字のない絵本です。
海外のビジュアル本を日本語にする際にはグラフィックの翻訳みたいなことをしているんです。でも、これはそれすらできませんでした。
横組みを縦組みにする難しさとかね、横組みのままでも書体の選び方、組み方とかね。あるんですけど。そんなことを必要としない本っていうのがこれです。
「故郷を捨て、新たな土地に移民した家族が、新しい人生を生きていこうとする時の不安と困難と幸せを描いている」っていう要約になると思うんですけど、絵だけなのに、絵だけだから感じられる深さっていうのがあります。
今だから読んで欲しいと思います。いつからでも生き直せるんだって思わせてくれます。すばらしい本です。