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ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実

ジェフ・エメリック&ハワード・マッセイ

エルヴィス・コステロ 序文

奥田祐士 訳

河出書房新社

2016

book, 2016/04


ザ・ビートルズの「リボルバー」から「アビー・ロード」までのほぼすべてのレコーディングでエンジニアを務めた方の回顧録です。

「ほぼすべて」と書いたのは実際には「ホワイト・アルバム」の途中でスタジオの雰囲気にいたたまれなくなったのと、ビートルたちの口の悪さに嫌気がさして辞めてしまっているからです。

「この口の悪さ」に関しては以前たまたまジョージ・ハリスンのインタビューを見たことがあるのを覚えているのですが、「That’s the way we talk.(それが俺らの喋り方なんだ)」だそうです。そのあとに続けて「だからジョンに気に入られたんだ」とも。

ジョンがどんな話し方をするかというか、どんな人との接し方をする人なのかを理解したかったら「ギミ・サム・トゥルース」というDVDを観るといいと思います。特にその中のレコーディング中のフィル・スペクターへの接し方。

「ほぼ人格否定」。

たぶん何かを創っているときは頭の中にあるイメージをできるだけ早く外に出したくてイライラするんだと思うんですが、なにもそこまでってくらいのものですから、きっとある程度分かっていてもタイミングによっては確実にキレるでしょう。

そういういろんな関わっている人たちの人間臭さを分かりながら読むと、ものすごく面白い本だと思います。

 

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