ウラジーミル・ナボコフ 著
若島正 訳
本村加代子 装画
河出書房新社
2008
book, 2008/09
ナボコフがロシア語で書いた作品です。その後、英語作家に転身して「ロリータ」を書くので、英語圏の人の評価は低かったそうですが、近年になって「最初の傑作」と再評価されているそうです。
実は初版が1999年で一回絶版となり、これは新装版として再発されたものです。主人公は天才的なチェスプレーヤーなのですが、ナボコフはここでチェスをモチーフにしながら主人公の世界を抽象化していきます。
チェス盤の升目と駒の動きの規則性、そしてそれとともに高まる抽象化を表現しないとナボコフさんに申し訳がたたないということで、装画は本村さんにちょっと難しい注文を入れながら抽象画をお願いし、選んだのは「ギンガムGA」というチェック柄がエンボスされた紙です。
見返し、表紙、帯と「ギンガムGA」を使い、花布にもチェックを。
カバーの紙は「ヴァンヌーボF-FS」で本村さんの絵の繊細さと狂気を再現しながら、マットにしっとり仕上げました。