ナショナル ジオグラフィック
日経ナショナル ジオグラフィック社
2015
book, 2015/04
カメラを撮影する際に「ISO感度」というのをフィルムの場合は選択、デジタルの場合は設定するのですが、その数値が大きくなればなるほど暗いところでの撮影が容易になります。
レンズの絞りとシャッタースピードとISO感度が関連するのですが、絞りは開けた方が明るく撮れる。ただ、開ければ開けるほどピントの合う幅(被写界深度)が狭くなる。シャッタースピードは遅い方が明るく撮れる。ただ、遅くなればなるほど写真にブレが生じる可能性が高まる。ISO感度は大きい方が明るく撮れる。ただ、ISOの数値が大きくなればなるだけ写真にノイズが出てくるようになってしまう。
出来るだけ焦点の合う幅が広く、写真にブレを生ぜずに、暗いところを明るく撮影したければISO感度の数値を大きくしなければいけないのですが、そうすると写真にノイズが生じてしまう。こういうジレンマを写真はずーっと抱えていたわけです。
カメラがデジタルに移行してさらに進化して、なにが一番変わったかというとこの暗いところでの撮影ではないかと思います。ISOが1600でノイズがほとんど出ないなんてフィルムでは考えられませんでしたから。
前置きが長くなりましたが、この写真集で使用されているのはほとんどデジタルです。一部フィルムのもありますが本当に数枚です。なぜかというといままでこの様に撮影するのがほぼ不可能だったからです。
中に掲載されているフィルムで撮影されたものは一目瞭然です。そういう仕組みが分かったうえで見ると、写真も違って見えるようになります。