カール・ジンマー 著
矢野真千子 訳
祖敷大輔 装画
NHK出版
2009
book, 2009/11
地球上で唯一DNAの配列が100%分かっている生物が大腸菌なんだそうです。
ペニシリンも大腸菌を媒介にして製造されており、さらにDNA配列を操作することにより様々な薬品を作ることが可能になっているという話から、生命の進化の話まで「大腸菌」で書けることは書ききったという本です。
読んでいると作者のカール・ジンマーさんの大腸菌への溢れるような愛情が伝わってくるという微笑ましい本でもあります。
タイトルの「大腸菌」をセンターに大きく入れて、まわりに「大腸菌」の絵を浮かばせることにしたのですが、まず大腸菌のイラストがポイントになりました。「美しく、可愛くすらある大腸菌」というのを装画をお願いした祖敷さんに頑張ってもらい、レイアウトの際にも数学的美しさを…
ということで、ガイドラインを公開です。カバー上部に円を配置するとオビの高さが決まります。で、その円の中に五角形を入れ、各頂点から交点を線で結んだ中に大腸菌を配しています。各大腸菌も同じ形や大きさではないので、それぞれに応じて釣り合いのとれる位置を見つけながら、サブタイトルや著者名などの位置も決定していきました。
表紙、見返し、別丁扉、オビに使用したのは「クロコGA」という表面が小さくモコモコした紙です。「クロコダイル」の「クロコ」らしく、ワニ皮を模しているらしいのですが、見ようによってはペレットの中で増殖している大腸菌にも見えなくもないんですよね。