エリック・シュローサー
布施由紀子 訳
河出書房新社
2018
book, 2018/07
核兵器が世界から完全になくなったとしても、それで世界が平和になるわけではない。しかし、核が使われたらどんなことになるのかを人類は知っている。おそらく日本人ならなおさらでしょう。
しかも広島・長崎で使用された爆弾の中に入っていた核(ウランもしくはプルトニウム)が全て爆発したわけでなく、さらにこのカバーの写真にある弾頭はその広島・長崎両型の200倍以上の威力を持つということを理解したら、そんなものはやめておいたほうがいいと思うのが理性的な人間だと私は思いますが、「力」というものに頼って自ら理性から遠ざかる人間が意外と多いもの事実のようです。
事故のない地所(工場その他)はない。故障のない機械はない。失敗・過失のない人間はいない。
そして残念ながら、自覚をしようとしない人間は、理解をしようとしない。「しない」ではなく「しようとしない」と書くのは、それがその人の価値観と意思の問題だからです。
しかしそれでも、ある方針を変えるためには新しいものの見方・見え方が必要なはずで、その新しい見え方を投げかけるきっかけの一つとして、このような本が必要とされるのだと思います。