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統合失調症患者の行動特性[第三版]その支援とICF

昼田源四郎

金剛出版

2020

統合失調症患者の行動特性

book, 2020/11

帯に「同じ失敗を何度もくりかえす」とありますが、わたしもね、くりかえします。わたしには変な自信があって、「なにか診断を受けたらなにか診断名がつくはずだ」というやつなんですけど、病名というものに対する揶揄も入っていますが、おそらく間違いないでしょう。ちょっと長くなりますが、そんなわたしを支えてくれる考え方があって、最近それをちゃんと言語化している言葉にぶつかったので、長いですが引用します。『世の中の人たちは、たやすく失敗する人間をバカにする傾向がある。そして人はたやすく失敗するから「おまえはダメな人間だ」というレッテルを貼られてしまう。人間は他人の貼るレッテルに従う生き物で、そういうレッテルを貼られるとダメ人間になろうとしてしまう。でも(略)失敗しているということは、自分なりの方法を模索しているだけの話なんだから』『わざと失敗しなくても、最初はだいたい失敗するんだから、それを拒否するんじゃなくて見つめてしまえばいい。そうすると、「ここを埋めればいい」ということが試行錯誤のうちにだいたいわかる』(橋本治『そして、みんなバカになった』河出新書)。統合失調症と診断されていて苦しんでいる方からしたらこんなこと書かれてもなに言ってんだとしか思えないでしょうが、わたしはわたしなりに共感することができる部分がないと仕事ができないので、自分なりの糸口を書いています。そしてそれはグラデーションでつながっていると思っています。この本は『「統合失調症」の行動特性・症状論の名著としてロングセラー』を続けているそうなんですが、そんな著者のことが日本語版のwikipediaに何の記載すらもないということに驚きます。まぁアメリカのwikipediaにWeldon Irvineの記載が極めて少ないっていうのもあるんですけど。話を戻しますが、観察だけでロングセラーになる本は書けないんじゃないかと思うんですよね。やはり、共感がないと特性はつかめないんではないかと思うんです。そしてその予想が当たっているんだとしたら、その著者に共感できる気になれる。ということでもあります。

 

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