大嶋栄子、信田さよ子 編
金剛出版
2023
book, 2023/08
フェミニズムの中から出てきた非常に重要な概念に「インターセクショナリティ(交差性、交差点性などと訳される)」というものがあると、私は個人的に考えています。例えば「白人女性の労働者」と「黒人女性の労働者」では同じ女性労働者であっても社会から受ける影響が違う。つまり人は一つの属性だけで説明できず、さまざまな属性の交差点上に存在していて、「一般的」とか「普遍的」という言葉(行政や役所などで前提とされてしまうのも)が使われる場面になると軽視されたり、無視されうるということと、その言葉そのものが「男性仕様」であることに留意しながらでなければ、先ほどの交差点にある問題点を理解することができない。というのが現時点での私の理解です(今後アップデートしていくつもりです)。そこを前提としてみると、今回の増刊15号が「スタディーズ」になり、討議の議題が「抵抗の言葉」ということになる理由が見えてくると思います。この転換期がより良い世界を作る種を生み出すことを願って。