高橋祥友
金剛出版
2022
book, 2022/02
私が思い浮かべるのは、カート・コベイン、ロビン・ウィリアムズ、クリス・コーネル、最近だと上島竜兵でしょうか。カートは27歳、他はみんな50歳以上でのことなんですよね。自殺をどう定義するかにもよるでしょうが、ドラッグの過剰摂取という時の「過剰さ加減」を考慮すると、フィリップ・シーモア・ホフマン、マック・ミラーも個人的には思い浮かべてしまいます。「なぜ」を問うても仕方がないことは分かっていながら、それは頭の中に残り続けます。この本は「自殺の定義」からはじまり、「予防の十箇条」におよぶ480頁の大著です。初版が1992年3月。著者が理解を深め、知見を増やし、版を改訂するごとに加筆しつづけ、第4版が2022年2月です。「なぜ」を変わらずに持ち続け、分かりやすい答えらしきものに飛びつかず、個々の欠損や過剰に常に寄り添いつづけることのできる包容力の人がたどり着いた到達点のような本だと思います。