ル=グウィン 著
谷垣睦美 訳
本村加代子 装画
河出書房新社
2011
book, 2011/02-04
『ゲド戦記』で有名な「ル=グイン」による最新作です。失礼ながら、まだご存命であることを知りませんでした。ものすごい力作であります。
単行本の方も担当させていただいてたんですが、文庫も引き続きやらさせていただきました。
西のはて(Western Shore)が舞台になっていますが、「ギフト」「ヴォイス」「パワー」とそれぞれ独立した話でもあり、同時にすべてを繋ぐ「世界」もあります。
装画はそれぞれの舞台「高地」「港のある都市」「水郷」を本村さんに描いていただきました。
これを読んでいて思うのは、言語(芸術)というものにたいする揺るぎない信頼と同時に危機感でもあります。その危機感がいまも彼女に言葉を書かせ、その言葉が世界を作り上げていく。
長く読まれていって欲しい物語です。