ショーン・タン 著
岸本佐知子 訳
寺田亨 描き文字
河出書房新社
2012
book, 2012/08
「アライバル」「遠い町から来た話」「ロスト・シング」とあって、そのうちのどれか一冊でも気に入った人はこの本をすごく楽しめると思います。なぜならその気に入った本がどんなアイデアやスケッチから発芽したのかを発見できるからです。そしてまだ形になっていない作品の種もこの本の中にあるんだろうと思うと、ちょっとわくわくさせられる本でもあります。
ちょっと妄想を働かせ気味な人が見れば、すぐにでも物語を発動させられそうな絵ばかりが収められています。それだけ言外にもいろんなものを含ませることができる画力があるんだろうということだと思います。
ちょっとづつでもパラパラ見てもらいたいと思い、雰囲気重視で表紙は原著のものをほぼそのまま使いました。予算の関係で造本までは同じにできないんですが。カバーを外していつでも部屋のどこかに置いてたまにページをめくって眺めるような、そんな見方がちょうどいい感じがします。
そうするとカバーの日本語タイトルの文字の秀逸さにも気がついてもらえるんじゃないかと。